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2008-04-16 (Wed) [長年日記]

#1 『黄金の馬車』@東京国立近代美術館フィルムセンター

前日に続いてフィルムセンターのジャン・ルノワール特集

フィルムセンターの解説より

18世紀初頭、南米のスペイン植民地。イタリアからやってきた劇団の花形女優(A・マニャーニ)は、みるみるうちに現地の男たちを虜にし、一座は脚光を浴びるが…。本作こそルノワールの最高傑作だと絶賛したF・トリュフォーは、題名を自らの会社名に使うほどであった。本作は英語・フランス語・イタリア語の3つのバージョンが製作されたが、今回は英語版を上映する。

'52仏=伊(原)プロスペル・メリメ(脚)ジャン・ルノワール、ジャック・カークランド、レンツォ・アヴェンツォ、ジュリオ・マッキ、ジネット・ドワネル(撮)クロード・ルノワール(美)マリオ・キアーリ(出)アンナ・マニャーニ、ダンカン・ラモント、オドアルド・スパダーロ、リカルド・リオリ、ポール・キャンベル、ナダ・フィオレッリ、ジョージ・ヒギンズ

この解説で知ったけど、この映画の原作者は『カルメン』のプロスペル・メリメなのね。

素晴らしい映画だったのだけど、言葉で説明するのが難しい。色彩が美しく、画面の隅々まで華やかで、映画の中の現実と登場人物が演じる演劇が重なって見えてくる。この映画内演劇というのは、面白いと感じることはできるのだけど、いざ言語化しようとすると人文系のボキャブラリーがない私には論じられないなあ。

前日観た『恋多き女』のバーグマンは無邪気で恋愛を意識せずに男の気を引いているけど、この映画のアンナ・マニャーニは恋愛のなんたるかを十分分かった上で男を惹きつけている、きっぷの良い堂々たる成熟した大人の女性であった。

ルノワールの映画は、『恋多き女』もこれも、あとで見た『フレンチ・カンカン』もヒロインが3人の男に愛され、求婚されたりするが、本命と結ばれハッピーエンド、という単純なのは3本の中では『恋多き女』だけで、残り2本は誰も選ばない結末になっている。

この映画もルノワール+ルノワール展では、画家ルノワールの描いたスペインの衣装を着た人物の絵と並べて映写してあったのだが、スペイン風の衣装の絵も描いてますよと言ってもルノワールでは例外的だと思うし、いわゆる印象派的な、ルノワール的なイメージとはちょっと違うと思った。舞台が南米であり、闘牛などスペイン風の風俗やアンナ・マニャーニの真っ黒い衣装、宝石や馬車の光からは、私はむしろベラスケスやゴヤをイメージした。

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