2003-05-08 (Thu) [長年日記]
#1 「趣都の誕生 萌える都市アキハバラ」をblog議論にあてはめてみる
(追加版。最初に書いたのは次の段落に残しました)
以下の議論に関係のある部分についてだけこの本を要約すると、
- 渋谷―電鉄系デベロッパによる開発でできた街、欧米志向、上昇志向
- 秋葉原―オタクの趣味でできた個室のような街、日本志向
という区分があって、そこに集う人たちは人種が違う。渋谷が代表するような大企業やデベロッパの開発でできた街はいくらでもあるが、秋葉原は個人のオタク趣味によってつくられた街で、こんなことは未だかつてなかった、ということを言っている。
この本が書いている、渋谷を中心とする欧米かぶれ上昇志向と秋葉原の日本的なオタクという分類は、web日記とblogの話にもあてはまるのではないかと思った。
大雑把に分けると、ネットビジネス系の人は「シリコンバレーの夢」みたいなことを言っていて、最近アメリカで流行っているらしいということを知ってblogを始めたような人たちであり、プログラマとかの技術者は海外のことにはあまり興味がなくて、アニメが好きで、以前からweb日記でコミュニケーションしていたのではないかと。
インターネット関連業界は、秋葉原系オタクだけのものではなく、もともとアメリカ発の技術だったということもあって、アメリカの技術やビジネスにあこがれた、この本でいう渋谷な人*1たちも同じように惹きつけていた。しかし、最近まで日本の個人サイトコミュニケーションについてはオタクの人たちが中心だった。
そこへ、アメリカで同様なものが流行したということで、渋谷な人たちがblogという名のもとに大挙して参入してきた。それを見て、私は今まで個人サイトであまり見かけなかった新しい文化圏が加わったなと思ったが、その文化圏はビジネスに近い。JBAのblogが広告代理店みたいなことを言っている、という印象を受けた人もいる。
MovableTypeのインストール方法はいくつかの雑誌に載っているのに、どうしてtDiaryとかhnsのそれは雑誌に載らないのか、とか、もともと日本には似たようなweb日記というものがあって、それなりの盛り上がり方をしていた(と私は思っていた)にもかかわらず、blogという言葉が出てきてからのマスコミへの露出っぷりはなんだろうか……なんてことを考えていたが、その理由は、渋谷の人たちが、ビジネスのやりかたでこれを広めているからだろう。ビジネスなんだから当然有料サービスもあるし、プレスリリースを出したりして、マスコミを利用したPRもする。
オタクが犯罪者にもつながるような悪いイメージで迫害されているのは、広告代理店が作った宣伝戦略にのらないからだ、という指摘がこの本にあった。迫害までしないとしても、オタクの人たちが自分の趣味で独自に作ったものに熱中しているのはいつものことなので、マスコミも特に取り上げなかったが、渋谷の人たちが同様なものに熱中しているとなると「新しいムーブメント」とかいって持ち上げるという部分もあるかもしれない。
でも、別にビジネスが悪いというつもりはない。秋葉原は秋葉原にしかないが*2、ミニ渋谷みたいなものは全国あちこちにあるように、渋谷な人たちがビジネスの手順で広めるものごとの方が一般に受け入れやすいだろう。tDiaryにしても、私が自分のサイトに入れようとしたときにはインストールのドキュメントがほとんどなかったので、知識のない人間には厳しかった。対象を趣味でやってる熱意のあるオタクに限定せず、広くビジネスとして展開するからできるようになることも多いだろう。
MovableTypeで、萌えーとかオタクなことを言っているサイトがないのではじめてみましたというのも見かけるが、この本でいう、日本のオタク技術者がアメリカ生まれのコンピュータに美少女アニメを表示させました、というのとほとんど同じだよなぁと思った。アメリカから来た道具を使うのだが、そこに載せられたメンタリティまでアメリカ的なまま使うことは好まず、日本的というか趣味的なものにしてしまうところが。
#2 趣都の誕生 萌える都市アキハバラ(最初に書いたもの。ほとんど同じ内容だが一応残します)
この本が書いている、渋谷を中心とする欧米かぶれ上昇志向と秋葉原の日本的なオタクという分類は、web日記とblogの話にもあてはまるのではないかと思った。
大雑把に分けると、ネットビジネス系の人は「シリコンバレーの夢」みたいなことを言っていて、最近アメリカで流行っているらしいということを知ってblogを始めたような人たちであり、プログラマとかの技術者は海外のことにはあまり興味がなくて、アニメが好きで、以前からweb日記でコミュニケーションしていたのではないかと。
インターネット関連業界は、この本でいう秋葉原系オタクだけのものではなく、もともとアメリカ発の技術だったということもあって、アメリカの技術やビジネスにあこがれた、この本で言う渋谷な人たちも同じように惹きつけていた。
でも、最近まで日本の個人サイトコミュニケーションについてはオタクの人たちが中心だった。そこへ渋谷な人たちがblogという名のもとに大挙参入してきた。そのblogのデザインはスマートでまとまったものに見えるし、広告代理店みたいなことを言っている、という印象を受けた人もいるが、オタクの人たちよりもビジネスを前面に出している、という風に見えた。
yuco.net :[Book] 趣都の誕生 萌える都市アキハバラ もともと、インターネット業界には、秋葉原系オタク(プログラマーとかの技術者)と欧米かぶれ上昇志向の人たち(ネットビジネス系=渋谷な人たち=ビットバレー)が一緒にいた。しかし、個人サイトに関しては秋葉原系..
yuco.net/diary(2003-05-08) 大雑把に分けると、ネットビジネス系の人は「シリコンバレーの夢」みたいなことを言っていて、最近アメリカで流行っているらしいということを知ってblogを始めたような人たちであり、プログラマとかの技術者は海外のことにはあまり興味がなく..
・yuco.net/diary(2003-05-08) 趣都の誕生 萌える都市アキハバラ ・ARTIFACT −人工事実− | Weblogにはビットバレーの匂いがする ・Kotaro Yamagishi's bJournal - 山岸広太郎のBlog(ブログ): 渋谷と秋葉は対立する概念か? オタクという単語の意味というか用法が面白..
面白いなあ。ただ、切り方が考えを限定するという面も指摘したいところだ。分類に共感出来るのだが、あくまで捉え方から演繹した分かりやすいぶった切りな訳で、それに囚われて実態が見えなくなることもある。例えば、テキストサイトの相関マップの時も、本気で是非や妥当..
「ビットバレー」には二種類の人種がいる
yuco.net/diary(2003-05-08)
すごい簡単な印象論としては、シリコン・バレーの成功話をよんだりすると、かならず夢を語るプロモーターと技術的におもしろいからやってるテッキーとが組んで会社起こしたりしてるわけで、そういう連携があんまりみかけないのはなぜだろうか...


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そういえば、ビットバレーなんつーのもありましたね。
渋谷にも秋葉原にも足を突っ込んでる身としては読んだ方がいいでしょうか?(笑)
network styly からのTrackBackが化け化けであるよ。あとで直しますが、これは文字コードの問題なんですよね。解決法はあるのでせうか。おしえてえらい人!
>渋谷にも秋葉原にも足を突っ込んでる身としては<br>面白い本なので読んでみるといいと思いますよー。確かに極端に秋葉原な人っていうのもいるけど、両方の要素を持っている人も結構いるでしょうね。
始めまして。書き終わってTrackbackしてみたら、既にそこら辺もコメントに挙がってますね。ちと恥ずかしいです。
おおざっぱなぶった切りであるというのはそのとおりで、きっと実態は、<br>渋谷 秋葉原<br>←――――――――――――――――――→<br>という軸があって、かなり極に近い人から中間あたりまでいろんな人がいるのでしょう。「趣都の誕生」では、秋葉原にしか生息しないような純粋おたく(右の極の人)がいて、その人たちが秋葉原を今の秋葉原にしたのだ、というようなことを言っているのだけど、もうちょっと薄いおたくとかもいるわけで。
ぬ、ずれるな。<br>渋谷←――――――――――――――――――→秋葉原<br>こうすればよかったのか。 <br>