2003-05-05 (Mon) [長年日記]
#1 小谷野敦『もてない男』(ちくま新書)
再読。amazonの書籍紹介にはなんだか大げさなことが書いてあるが、著者があとがきにも書いているように、「『自分はもてない』という自覚のある人が、過去の文学の恋愛観を引きながらいろいろ考えてみました」という、恋愛に関するエッセイだと思って私は読んだし、そんなに構えて読むものでもないのにと思う。
この本の主張はいくつかあって、それは「マスコミなどが世の中に恋愛至上主義を垂れ流し、恋愛にはものすごい価値があるものだと広く信じられている」「しかし、世の中にはもてない人間というのが必ずいる。そういう人たちにまで恋愛至上主義を押し付ける必要はない」「そういう人に対して上野千鶴子とかは『コミュニケーション能力を磨け』というが、その能力を磨く場にさえ出られない彼らにとっては無意味なアドバイスだ」というあたりだろうか。
おおむね同意かな。ただ最後のコミュニケーション能力の話は、好きな相手に対してだけではなく、世の中の全ての人に対する普段のコミュニケーション能力だとも取れる気がするけど。しかし、コミュニケーション能力を磨こうとか特に思わなくても、もてる人はもてるし。
そのほか一夫一妻制とか妾とか近代的恋愛と江戸的性愛とか強姦とかオナニーとかについて小説をひいていろいろ話しているけど、これらについては、はっきりした結論はないっぽい。
【追記】TrackBack先のjounoさんが
好きな人に愛されない、ということは普遍的な苦痛だし、論じるに足ることだと思う。しかしもてるもてないというのは、実際のところ、まったくどうでもいいこと
と書かれてますが、この本の「もてない」の定義は、じつは「好きな人に愛されない」のことなのです。本の中でそういう定義をしています。
まぁそういう人ってよくいますよね。「俺ってもてないんだよね」と言っていて、よく話を聞いてみると、その人に好意を寄せる人が皆無ではないのだけど、実際はもてるもてないじゃなくて自分の好きな人を落とせるかどうかが問題だったりするという。
あと、この本の内容は、もてないことによる恨みつらみを訴えたものだと、帯なんかでは強調している感じだし、そう受け取っている書評が多いけど、私はそういう部分がそこまで前面に出ているとは感じませんでした。
#2 勢古浩爾『まれに見るバカ』(洋泉社新書)
新書エッセイ二冊目。本好きの会社員という著者が、世の中の“バカ”を扱った本(バカゲット、東大生はバカになったか、などなど)についていろいろつっこみを入れつつ解説するという感じ。
文章のテンポがよくすらすら読めるし、(わたしもよく使う、こういうかっこ内に自分つっこみを書くという手法を使っている。web日記ならともかく、新書でそういう文章を書く人を見たのは初めてだ)つっこみの内容は妥当だと思えるけど、それ以上のものがないのであまり印象に残らない本なのであった。
あと、本の後半になると多少文章がだれている感じあり。今手元にないので引用できないけど、佐高信が悪文を書くといって批判しているのに、自分がそういうのを書いてどうするよ、と思ったのが二箇所くらいあった。
# StrangeIntimacy:yuco.net/diary(2003-05-05) 「もてない男」 yuco.net/diary(2003-05-05) ぼくもは「もてない男」という本に..
2003-05-08 (Thu) [長年日記]
#1 「趣都の誕生 萌える都市アキハバラ」をblog議論にあてはめてみる
(追加版。最初に書いたのは次の段落に残しました)
以下の議論に関係のある部分についてだけこの本を要約すると、
- 渋谷―電鉄系デベロッパによる開発でできた街、欧米志向、上昇志向
- 秋葉原―オタクの趣味でできた個室のような街、日本志向
という区分があって、そこに集う人たちは人種が違う。渋谷が代表するような大企業やデベロッパの開発でできた街はいくらでもあるが、秋葉原は個人のオタク趣味によってつくられた街で、こんなことは未だかつてなかった、ということを言っている。
この本が書いている、渋谷を中心とする欧米かぶれ上昇志向と秋葉原の日本的なオタクという分類は、web日記とblogの話にもあてはまるのではないかと思った。
大雑把に分けると、ネットビジネス系の人は「シリコンバレーの夢」みたいなことを言っていて、最近アメリカで流行っているらしいということを知ってblogを始めたような人たちであり、プログラマとかの技術者は海外のことにはあまり興味がなくて、アニメが好きで、以前からweb日記でコミュニケーションしていたのではないかと。
インターネット関連業界は、秋葉原系オタクだけのものではなく、もともとアメリカ発の技術だったということもあって、アメリカの技術やビジネスにあこがれた、この本でいう渋谷な人*1たちも同じように惹きつけていた。しかし、最近まで日本の個人サイトコミュニケーションについてはオタクの人たちが中心だった。
そこへ、アメリカで同様なものが流行したということで、渋谷な人たちがblogという名のもとに大挙して参入してきた。それを見て、私は今まで個人サイトであまり見かけなかった新しい文化圏が加わったなと思ったが、その文化圏はビジネスに近い。JBAのblogが広告代理店みたいなことを言っている、という印象を受けた人もいる。
MovableTypeのインストール方法はいくつかの雑誌に載っているのに、どうしてtDiaryとかhnsのそれは雑誌に載らないのか、とか、もともと日本には似たようなweb日記というものがあって、それなりの盛り上がり方をしていた(と私は思っていた)にもかかわらず、blogという言葉が出てきてからのマスコミへの露出っぷりはなんだろうか……なんてことを考えていたが、その理由は、渋谷の人たちが、ビジネスのやりかたでこれを広めているからだろう。ビジネスなんだから当然有料サービスもあるし、プレスリリースを出したりして、マスコミを利用したPRもする。
オタクが犯罪者にもつながるような悪いイメージで迫害されているのは、広告代理店が作った宣伝戦略にのらないからだ、という指摘がこの本にあった。迫害までしないとしても、オタクの人たちが自分の趣味で独自に作ったものに熱中しているのはいつものことなので、マスコミも特に取り上げなかったが、渋谷の人たちが同様なものに熱中しているとなると「新しいムーブメント」とかいって持ち上げるという部分もあるかもしれない。
でも、別にビジネスが悪いというつもりはない。秋葉原は秋葉原にしかないが*2、ミニ渋谷みたいなものは全国あちこちにあるように、渋谷な人たちがビジネスの手順で広めるものごとの方が一般に受け入れやすいだろう。tDiaryにしても、私が自分のサイトに入れようとしたときにはインストールのドキュメントがほとんどなかったので、知識のない人間には厳しかった。対象を趣味でやってる熱意のあるオタクに限定せず、広くビジネスとして展開するからできるようになることも多いだろう。
MovableTypeで、萌えーとかオタクなことを言っているサイトがないのではじめてみましたというのも見かけるが、この本でいう、日本のオタク技術者がアメリカ生まれのコンピュータに美少女アニメを表示させました、というのとほとんど同じだよなぁと思った。アメリカから来た道具を使うのだが、そこに載せられたメンタリティまでアメリカ的なまま使うことは好まず、日本的というか趣味的なものにしてしまうところが。
#2 趣都の誕生 萌える都市アキハバラ(最初に書いたもの。ほとんど同じ内容だが一応残します)
この本が書いている、渋谷を中心とする欧米かぶれ上昇志向と秋葉原の日本的なオタクという分類は、web日記とblogの話にもあてはまるのではないかと思った。
大雑把に分けると、ネットビジネス系の人は「シリコンバレーの夢」みたいなことを言っていて、最近アメリカで流行っているらしいということを知ってblogを始めたような人たちであり、プログラマとかの技術者は海外のことにはあまり興味がなくて、アニメが好きで、以前からweb日記でコミュニケーションしていたのではないかと。
インターネット関連業界は、この本でいう秋葉原系オタクだけのものではなく、もともとアメリカ発の技術だったということもあって、アメリカの技術やビジネスにあこがれた、この本で言う渋谷な人たちも同じように惹きつけていた。
でも、最近まで日本の個人サイトコミュニケーションについてはオタクの人たちが中心だった。そこへ渋谷な人たちがblogという名のもとに大挙参入してきた。そのblogのデザインはスマートでまとまったものに見えるし、広告代理店みたいなことを言っている、という印象を受けた人もいるが、オタクの人たちよりもビジネスを前面に出している、という風に見えた。
# yuco [network styly からのTrackBackが化け化けであるよ。あとで直しますが、これは文字コードの問題なん..]
# yuco [>渋谷にも秋葉原にも足を突っ込んでる身としては 面白い本なので読んでみるといいと思いますよー。確かに極端に秋葉原な人..]
# DAC [始めまして。書き終わってTrackbackしてみたら、既にそこら辺もコメントに挙がってますね。ちと恥ずかしいです。]
# yuco [ おおざっぱなぶった切りであるというのはそのとおりで、きっと実態は、 渋谷 秋葉原 ..]
# yuco [ぬ、ずれるな。 渋谷←――――――――――――――――――→秋葉原 こうすればよかったのか。 ]
# Kotaro Yamagishi's bJournal - 山岸広太郎のBlog(ブログ):渋谷と秋葉は対立する概念か? yuco.net/diary(2003-05-08) 大雑把に分けると、ネットビジネス..
# network styly *:渋谷系オタクvs秋葉系オタク ・yuco.net/diary(2003-05-08) 趣都の誕生 萌える都市アキハバラ..
# D-COT 適宜覚書:適宜覚書 面白いなあ。ただ、切り方が考えを限定するという面も指摘したい..
# ARTIFACT −人工事実−:ホイチョイがblogと言い出せばblogブームも本物だ 「ビットバレー」には二種類の人種がいる
# StrangeIntimacy:アキバとシブヤのはなし yuco.net/diary(2003-05-08) yuco.net/diary(2003-05-08) すごい簡単な印象論としては、シリ..
2003-05-11 (Sun) [長年日記]
#1 TrackBackの文字化け
きたさんが対処してくださった模様(ありがとうございます)。関連プラグインを入れ替えました。uconvはもともと入れていたので多分大丈夫。というわけでだれか試しにTrackBackしてみてくださいませ。
それでもすでに送られたnetwork stylyからのTrackBackは直らないので、ログをいじって復活させようと思ったらnetwork stylyのサーバにつながりませんでした。あとでexcerptを入れます。
#2 <民主>と<愛国> (1)
を今読んでいる。昨日今日で第5章まで。全体で1000ページ弱あるかなり厚い本なので、これでも全体の5分の1くらい。
戦後すぐからの知識人の発言を中心に追っていって、国民とか愛国とか公共とかそういうことに関するものの考え方の変化をたどるという内容。知識人は、特殊なことを言っている人のことではなく、それぞれの時代の中で普通の人たちのものの考え方をうまく表現しているからこそメジャーな知識人たりえているのだ、という見方で追っていく。
批判できるだけの教養がないので、この本の解釈を、たぶんそうなんだろうなーと思いながら読む。
読んでいると、知識人もみんな自分の体験からしか国家観や社会観をつくることはできず、本当の意味で「書物から学ぶ」「歴史に学ぶ」ってことはできないのかもしれないなと思ってしまう(その面を強調している本なのだろうけど)。
# yuco [>この本のおかげで「サヨ氏ね、ウヨ氏ね」的な低レベルな批判は無効 この本があってもなくても低レベルなのはほっとけばい..]
# ds [>低レベルなのはほっとけばいいのでは。 みもふたもないですなー。]
# yuco [>「サヨ氏ね、ウヨ氏ね」的な低レベルな批判 っていうものの意味がよくわかっていないのかもしれません。私は、「まれにみ..]
# ds [ごめんなさい。僕の言葉が足りませんでした。僕の言う「低レベルな批判」のなかには「「まれにみるバカ女」を書いた人の左翼..]
# ds [>もともと求めているものが違う ええ。僕は1冊の本に期待しすぎなのだと思います。「民主と愛国」に、戦後思想について..]
# network styly *:<民主>と<愛国>――戦後日本のナショナリズムと公共性 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4788508192/ref=sr_aps_..
2003-05-14 (Wed) [長年日記]
#1 ウガンダ人窃盗団摘発 盗んだトラックを分解輸出の容疑
こういう人たちが泥棒になってしまうのではなくて、ODAとかでなんとかして経済活性化につなげられないのかなぁと思ったりする。盗む人が、っていうよりウガンダで盗品を組み立てなおす人たちが、かもしれないけど。(月下工房#書評系から)
#2 Wikiと署名
つくづくたださんは説明がうまいなぁ。
わたしも、tDiary-usersで議論になっていたときも、「署名と変更事項の書き込みを義務にすること」は書き込みの敷居を上げるし、しかもその決まりを守らない人も出てきそうな気がした。だから基本的には反対だったし、書き手の希望でどうしてもそういう文書にしたい、ということになっても最低限にした方がいいとは思っていて、そういう投稿もした。
でも、そもそも人はなぜWikiに書いたりするのか、というところからさかのぼって説明できるということがすごいなぁと。
まぁでもこの問題は平行線ですね。わたしは、プログラム本体ならばともかく、そのプログラムを使うためのHowTo文書などに著作権を主張しようとは思っていない。直した方がよければいくらでも好きにして欲しい。
しかし、当然ながら世の中にはそうではない考え方の人もいる。わたしも以前はそれをわかっておらず、世の中のHowTo文書を書いている人も同じ考え方だろうと漠然と思っていた。だからtDiaryのインストール方法を書いたときには、既存のtDiaryFAQから断りなしに文書を持ってきて勝手につないだりしていたわけだ。
法律でも、ある程度まとまった文章なら、それがニュース記事でも、小説でも、HowToものでも、文章の種類に関係なく著作権を認めている。
で、むとうさんは
あと、オレの興味が無くなったときにWebから情報がなくなるというのもおもしろいかもしれない。困る人がいるかもしれないけど。
ということなので、使う人が困るかどうかよりも自分のアーティスト的な部分を優先させたいという考え方。それは、その情報が必要になるかもしれないその他の人間にとっては残念なことなのだけど、むとうさんは自分の考え方を明快に主張されているので、仕方がないのかなと思う。
人は同じことをしていても、同じ動機に基づいてやっているとは限らないってことだなと思いました。
#3 tDiary-usersの最終決定
あと、tDiary-usersにも最終決定者/決定プロセスが必要だろうなと思う(むとうさんも、tDiary-usersを念頭において書かれたのだろう)。
ただ、最終決定者を決める場合でも誰がなるかは難しい。たとえばtDiary-develなら、作者のたださんが仕切るのが一番当然で、だれもが納得することなのだけど、usersはその意味ではみんな一ユーザに過ぎないので、その必然性が誰にもない。
2003-05-18 (Sun) [長年日記]
#1 comment_mail_sendmail.rb
昨日の不具合報告の続き。
tDiary本体を1.5.4.20030517にしても今度はplugin errorが出て、相変わらずつっこみメールは届かず。その後、今までしていた @options['comment_mail.receivers'] の指定を止めたら、エラーが出なくなり、つっこみメールも届くようになりました。
#2 msearchと格闘中
なのであります。以下参照したページ。
#3 msearch 設置できたー
週末つぶしてしまった…。というわけでどこで引っかかったか書いておく。
散々悩んだ、「http://www.yuco.net/diary/html/2003/20030518.html のようなページにアクセスすると、ファイルの中身はちゃんとtDiaryのファイルに飛ばされているようだが(サイドバーなどが表示される)、URLがこのままである」という問題は、tDiary-users:htmlでアクセスしたい内のmod_rewriteを使う方法が原因だった。私は、以前ここに書いてあったことに従って .htaccessを
RewriteEngine on RewriteBase /diary RewriteRule ([0-9]+)\.html$ index.rb?date=$1
としていたが、これには問題点がある。たとえば
http://www.yuco.net/diary/html/honyo/monyo/2003/20030518.html
というようなURLでいくらでもアクセスできてしまう。どうも、www.yuco.net/diaryで始まっていて、YYYYMMDD.htmlで終わっていればどんなURLでも日記を表示してしまうようだ。http://www.yuco.net/diary/html/20030518.html は、ジャンプする前にこの法則に引っかかっていた。
今、tDiary-users:htmlでアクセスしたいに書いてあるのは、
RewriteEngine on RewriteRule ^/diary/([0-9]+)\.html$ /home/httpd/html/diary/index.rb?date=$1
だが、私はこの方法では「URLが存在しません」となり、日付.htmlのアクセスができなかった。試行錯誤の末、
RewriteEngine on RewriteBase /diary RewriteRule ^([0-9]+)\.html$ /home/httpd/html/diary/index.rb?date=$1
であれば、日付.htmlができ、なおかつ上のような問題が起こらないことが分かった(書き方は、上と合わせている)。
あとは、tDiary-users:msearchを使って検索機能を作りたいのですがに書いてあることで大体いいのではないだろうか。
2003-05-27 (Tue) [長年日記]
#1 有料メルマガに抗議
日垣隆氏の有料メルマガ「ガッキィファイター」というのを読んでいるのだが、最近質の低下がはなはだしい。
今届いている「臨時増刊号」は、日垣氏がメンバーになっている「飯田高等学校生徒刺殺事件検証委員会」の議事録を全12回に分けて送ってくるというもので、前書きにこんなことが書いてある。
*以下の議事録はすべて長野県のWebサイトで公開されており、pdfファイルとしてダウンロードできます。URLは、
http://www.nagano-c.ed.jp/kenkyoi/sigoto/gyousei/iida/index.htm
です。メルマガ版議事録は、上記議事録に改行を入れるなどして読みやすくしたものです。【編集部】
こんなのURLを示せば済むことであり、それを延々とコピペして送ってくるというのは理解不能。
いくら日垣氏が委員会に加わっているといっても、その委員会は公共のものであり、議事録がウェブに公開されているとしたら、それも公共のものである。それをほとんどそのまま流して商品になると思っているのだろうか。
今までもときどき議事録のような、テープ起こししただけみたいな内容のメールがあり、そういうのは面倒で読んでいなかった。要約さえしないのは手抜きが過ぎる。
というわけで「こーゆー内容が続くなら今後は購読しません」という抗議メールを書いてみた。
2003-05-31 (Sat) [長年日記]
#1 『まれにみるバカ女』
以下は、一ヶ月以上前に書いて忘れていたもの。そのあとこの本を読み返していないし、そうするつもりもない。 …と思っていたけど結局読み返してしまいました。
出てすぐ買って読んでいたのだけど、あまりのレベルの低さに腹が立ってきて途中で放り出していた。本を読んで「金返せ」と思うのも久しぶりだった。しかしこの本、好評で第二弾が出るというではないか…。この本のひどさについてやはりちゃんと書きたくなり、そして書くなら一度は通読せねばと思ってなんとか読んだ。
とにかく「フェミ」とか「サヨ」な女叩きを2ちゃんねる以外で読みたい人にはお勧めであろう。
この本は以下のような内容で構成されている。
- とにかく相手憎しだけの低レベルな悪口(→問題外)
- (バカのくせに?)結構有名になった女がなぜ成功したのか追求してみたが、そういう人を生む業界とか情勢については多少の批判があっても、本人のどこがダメなのかちゃんと書いていない(→批判になってない)
- 確信犯のバカに対して確信犯と気づかずに説教しているもの(→気づいてない方がバカ)
- 批判にはなっていても、2ちゃんねるなどですでに書かれているものを使ったもの(→書き手が考えたものではなく、誰にでも書ける。目新しくない)
- ちゃんと考えて書いたまともな批判
5.はとても少なく、全体の1割程度だろうか。というわけで上記1.〜4.について書く。
1.は政治家に対しての批判に多い。書き手がはじめから「フェミ」「サヨ」を憎んでいることが丸出しなので、読み手にとっては説得力がない。もっと中立的な解釈ができるかもしれない出来事も、書き手が自分に都合よく解釈しているのではないかと思えてくる。
フェミニズムの中のレベルが低いものを批判しているつもりなのかもしれないが、その批判のレベルが低いと“フェミ嫌い”のレベルはこんなものかってことでまた自分たちに跳ね返ってくるんだけどね。
2.ではたとえば、世の中に恋愛教がはびこっていることを指摘したりそれに対して不快感を表明してみても、その中で教祖と呼ばれる北川悦吏子に対する批判にはならないよな。
「小泉今日子がアイドルをダメにした、というのは、もうすっかり定着した見解だろう」ってどこに定着してるんだよ!(たぶん自分の属するサブカル三流ライターのサークル内であろう) この項ではサブカルかぶれの芸能人について書いているのだが、結局なにかを批判しているのかどうかよくわからない。アイドルがダメになったらなにがいけないのかもよく分からないし。
3.は芸能人に対する批判に多い。確信犯的にバカやってる人にバカだと言っても痛くも痒くもないよなぁ。神田うのとか梅宮アンナとか川島なお美が賢くもなければ芸もないなんて今更言われても…。「○○はバカだ」という形ででも話題にのぼればいいと考えている連中でしょう。むしろこのコラムによって宣伝に一役買ってるだけではないか。
ますいさくらとかいうホステスもそうだ。パソコンを買ってもらうために客と「お布団に入った」がどうとか書いているが、尻軽に見せることで読み手(「週刊宝石」の読者である)の興味を引ければ彼女としては成功だし、菊川怜だって「東大出なのに意外と抜けてる」っていうのが戦略だろう。そんな年末年始にしかテレビを見ない私にさえわかるようなことをさも分析したかのように言われても困る。
5.栗本薫への批判は、北朝鮮拉致被害者について自分のサイトでコメントした件(これは言われてもしょうがない話だが、ネットでかなり話題になったので、これを指摘するだけなら誰でも出来る)と、自分の好きな本について何千回も読んだとか、暗記するくらい覚えているとか書いていたという大きく2つに対してだ。後者が本当に「何千回」か「暗記している」のかどうかということを問題にしているのだが、そんなの単なる強調だろうに…。
あと、編集の問題として、女だけを叩く本でライターは男だけ、というのも意図的だよなと思った。「女の中にはバカもいる」という考え方なら、この中に女のライターがいても構わないと思うが、 baud rate RAという性別不詳の人を除けばみんな男である。そのへんからも、男が、女を叩く本を読んで溜飲を下げるために作られたのであろうというこの本の目的がわかる。
↑執筆者に与那原恵という女性がいたので訂正。でも、本全体から受ける印象は変わらないなぁ。ちなみにこの人は遙洋子について書いているが、上の分類でいけば2.である。遙洋子が勉強したフェミニズムが一般人とかけ離れてきている、という指摘(これは斎藤美奈子もしている)をしているが、遙洋子本人がどうダメなのかいまいちよく分からない。よろしくない方向に進んでいるフェミニズムをやっているからバカだという解釈をすればいいのだろうか。
あと、やまがたさんが以下のように書いているけど、
http://www.post1.com/home/hiyori13/takarajima/
なお、この『まれに見るバカ女』を嫌う人もいるし、確かに変な文もあったけれど、ぼくはかなりいいできだと思った。特に、北朝鮮拉致について「知らなかった」と言ったのに、後にしゃあしゃあと「あれはウソだった」と言って平然としていた田嶋陽子の恥知らずぶりをきちんと指摘してあったのは、ぼくは他で見たことがなかった。
田嶋陽子の項ほかいくつかを書いている朝倉喬司は、この本の執筆者の中では一番できがいいと思う。言い回しがたまに小難しくなる欠点はあるが、書いてる内容はちゃんと調べていてまっとう。全部、いやせめて7割がこのレベルだったら私も文句は言わない。ちなみに私がこの本で一番面白かったのは、やはりこの人が書いている田中真紀子について。
# - [えーと、古い話題にコメントします。すいません。 本がどこかにいっているので記憶で書きますが、呉智英の栗本批判では グ..]
# yuco [すみませんが、読んだのはずいぶん昔(約3年前)ですし、内容に呆れて売ってしまったのでその点については覚えていませんし..]
# 鈴木でも田中でも名乗れますが… [私は「三年前の記憶で書いた文」ではなく「実質読んですぐ書いた文」について話しています。 当該書に呉がなにを書いたかは..]
# 鈴木 [ちなみに「まれに見るバカ女」、掘り出してきました。ぼくも間違ってたようです。居直りと事実誤認の話は別のエピソードでし..]
# 鈴木 [ありゃあ。本気でスルーしてくつもりなのですね。こういう「覚悟や見識のなさの指摘」こそ呉の栗本批判のメインテーマだった..]


ツッコミ入りRSS

# ds [「トンデモ」がらみで検索してたら、例のゲーム脳関連記事、 http://www.yuco.net/diary/200..]
# yuco [結局AllAboutJapanが弱腰だったということみたいですね。リクルートってこういう批判的なコンテンツを扱うのに..]
# yuco [つうか2ちゃんねるに晒されたよう…どのスレか知ってる人はおしえてくらさい。]