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1999-03-01 (Mon) [長年日記]

#1 外資企業と日本企業

外資系(一部日系含む)経営コンサルの、スプリング・ジョブなるものに6社応募したが、全部落ちた。(3社:筆記パス、面接(ケーススタディ)落ち/2社:筆記落ち/1社:書類落ち)

あたしは2000年9月卒業なので、ほんとは今就職活動する身分ではないのだが、あわよくば高給バイトを!というしごく不真面目な理由で受けてみた。しかしそんな奴が通用するほど甘くはなかった。同じ研究室の先輩は去年6社ほど受け3社通ったそうで、切れ者だわ〜。

説明会では、「私たちの会社は、日本企業のような年功序列ではなく、実力主義です。」etc.日本企業はいかにレベルが低く、それに対して自分たちは、若手を重用し、働きやすい環境、頭脳労働、「自分の市場価値を高める」とやらについてなど、優れているという論調が目についた。(コンサルって自分たちのやっていることが絶対正しいと思わないとやっていられないのねえ。きっと、「バカな日本企業たちをこのアメリカ仕込みのルールで変えてやるのが、自分たちの仕事」とでも思っているのかな)

確かに、日本企業の理不尽さについては、あたしを含む学生たちはうすうす感じていて、「働くことはいいとしても、そんな社会には染まりたくないな」と思っているのだろう。でも、あそこまで言われると、「日本企業だっていいところはあるだろう」と逆に思ってしまう。

でも、外資について、間違いなくひとつうらやましいと思うのは、女性差別はないだろうということだ。あたしは、学部(建築学科)4年のときに、男の子は先生の推薦で難なく大手ゼネコンに決まり、女の子はほんとに苦労しているのを見た。大手ゼネコンは、たぶんあらゆる業界のなかで一番保守的で、たとえ建築学科でも女の子には資料も送ってこないのである(同級の男の子にはもちろん来る。また、中小ゼネコンは、そんなゼイタク言ってられないので採るらしい。)これは噂だが、技術職(もちろん総合職)で応募した女の子には「技術一般職はどう?」などと言うらしい。また某ハウスメーカーに入社した友達は、「男の子たちよりも研修期間が短い」と言っていた。その辺はぜひぜひ経営コンサルの皆様に大ナタを振るっていただきたい。

    ◆ ◆ ◆ ◆ 

面接での心のつぶやき集。

―なぜ外資に?

ある学生「日系に入った、とっても切れる先輩が自転車で営業の顧客まわりをしていると聞いて、もっとスキルの身につくような仕事をしたいと思いました」

―顧客まわりじゃスキルは身につかないの?そういうのって、すごく噂とかイメージに左右されてない?

(コンサルでもそういう風に客観的に外資を見ている人もいるのね。でもあんたとこの若手社員は、この人と大差ない考え方をしてるよ)

この面接の最後に:

ある学生「それでは、御社ではどのようなスキルが身につくのですか?」

―考える力かな。

私「それはほかの会社では身につかないのですか?」

―人それぞれでしょう。でも同窓会などに出ると、日本企業に染まっていて、ものを考えてないと思う人に会うこともある。

(結局あんたも外資系(アメリカン・スタンダード)は善であるという前提にたってものを考えてるじゃん。さっき自分でけなしてた学生と変わらないよ)

ある学生:「失敗した人はパブリックセクターに救ってもらえばいいんですよ」

(自分もそうなる可能性があるなんて1ミリも考えてなさそうね…このときあたしは、やはりパブリックセクターの人になろうと思った。金は、普通に生活できるくらいあればいいから。)

    ◆ ◆ ◆ ◆ 

こういうところに働いている人で、「この人は、大人として外資系を選んでいる」と、あたしが初めて思ったのは、推定40代の女性。「よく外資は実力主義って言うけど、実力をなにで測るかって、それは人間関係よ」「日系、外資系どちらにもいい点も悪い点もあるのよ。日系だってこれから変わってくると思う。わたしは、歳を取りすぎたけど」「こういう仕事(経営コンサル)はイメージ商売だから、(アメリカの)本社から、こういう(港区にあって、森ビル系とかの有名なきれいなビルで、最上階は夜景がステキなラウンジみたいな)ビルに入居しろとか、社員の服装についてもお達しが来るのよね」

就職活動MLなどを見ていると、新世代のエリートという感じで、みんな目指しているコンサルタント。確かに、働く環境とかキャリア形成にとっては(あと給料も)いい条件なんだろうと思う。でも、少なくともあたしはここを選ぶべき問題意識を持っていない。「結局、金持ちをますます金持ちにする仕事でしょ」と思ってしまう。資本主義というのは、放っておくと勝者はますます勝者になり、敗者はますます貧しくなるものだと思う。ビルゲイツがこれから大失敗をして貧乏になることはあり得ないし、ホームレスのおじさんが中の上くらいの経済力を持つのも、とても難しいのである。あたしは、社会のその辺をうまく調整していく仕事をしたい。(ちょっと社会主義的かなあ?)

ただし、それが「金持ちは悪だ!」って考え方にならないようには気をつけたい。国際援助にしたって、そこの人がビジネスができるようになって、経済がうまく回っていって、援助関係者などは失業するのが最終的な目的なんである。そのためには経営的センスというのは必要だと思う…うまく言えないけど。それに、金持ちから所得税なり、寄付なりでお金をもらわないと公共のことはやっていけないのだ。スプリングジョブも、はじめの動機は小遣い稼ぎだけだったが、将来進みたい方向と正反対に見える(けど本当は必要な知識だろう)からこそ、学生のうちにかいま見ておきたかったと段々思うようになった。でもあたしはこれらの会社が「欲しい社員の条件」として掲げる論理性やら知性やらを持っていないみたいで、ことごとく落とされてちょっと悔しいけど、ま、いっか。

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